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[コラム]夏休みの終わりに

山本神父

教会学校のサマーキャンプから帰ってきたばかりなので、奥多摩の話をさせていただくことにします。

本当に久しぶりに奥多摩湖をこの目で見てきました。なにしろ、37年前に司祭になってから行った記憶がないのです。

奥多摩湖は実は通称で、正式には小河内貯水池といいます。1957年、小河内ダムの竣工によってできた人造湖だからです。記念切手が発行されたほどの、当時としては大工事でした。その時、小学校5年生だった私は、社会科の授業で聞かされたいくつかのことを50年以上たった今もよく覚えています。奥多摩への玄関口、立川に住んでいたので、学校でも詳しく教えてくれたのでしょう。

小河内ダムの建設は確かに大工事でした。でも、いちばん大変だったのは工事ではありません。小河内村が水没し、数千という村人たちが立ち退かざるを得なかったことです。このことを決して忘れてはなりません。そう力を込めて言った小学校の先生の言葉を思い出しながら、私はその晩、キャンプのまとめの話の中で、教会学校の子どもたちに同じことを伝えました。水道の蛇口をひねると水が出るのは当たり前のことではありません、ありがたいことなのです、と。

恥ずかしながら私自身、そのことを長い間ほとんど思い出すことがありませんでした。奥多摩湖に来てよかったと心から思いました。関口教会に戻る電車の中で、サマーキャンプのテーマソングのリフレイン「どんな時にも感謝しなさい」が何回も私の心の中で繰り返されました。 

 

山本量太郎神父