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[コラム]気づき

シスター品川

今日の福音を冷徹な目で読むと、まるでこの世の裏世界の会話のやり取りが見えてくるようです。実際、聖書を読むと、イエスは彼に反対する人々から何回も罠にかけられそうになったようです。今日の福音、マタイ22.15-22では、人の心の暗い部分の動きが見えます。

例えば「どのようにイエスの言葉じりを捉えて、罠にかけようかと相談した」とありますが、日常の人間関係には無い相談の内容です。

また、ファリサイ派の人たちは、「弟子たちをヘロデ派の人々と一緒にイエスの所に遣わして…」というのは、イエス殺害という目的のために、日ごろは意見も考え方も違う人たちとグルになることです。これも、まっとうな人間の繋がり方ではありません。

次に出てくるのは、上手に持ち上げた後に、逃げられないような嵌めかたの手口です。彼らはイエスを褒め、その後で罠にかけようとしています。わたしたちの世界には、これほど酷いものではないにしても、似たりよったりの人間関係の中で苦しんでいる人もいます。必要以上に持ちあげられ褒められる時、そこには何かの魂胆が潜んでいるかも知れません。いつも「蛇のように賢く、鳩のように素直な心」でいるようにと諭されたイエスの言葉を思い出します。 

この世を生きることは大変なことです。聡い心で神に向かわせる霊と、神から引き離そうとする霊とを見極め、自分が今、何に動かされ、どこに向かっているのかをしっかり捉えられる人になりたいものです。それは「気づき」に始まります。

Sr.品川ヨシ子