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[コラム]四旬節の半ばで

山本神父

四旬節はまだ半ばにさしかかったばかりだが、私の思いは正直なところ、すでにその頂点である聖週間へと向かっている。とりわけ、そこで年に一回だけ歌われる、いくつかの特別な聖歌を毎日のように口ずさみ始めているのだ。

その中の一つが聖金曜日の「とがめの交唱」である。この聖歌は、その歌詞が神に向かって賛美をささげるものではないところに最大の特徴がある。逆に、神が私たちに向かって「民よ」と繰り返し呼びかけているのである。そのリフレイン、すなわち「交唱」は、こうなっている。「民よ、わたしにこたえよ。わたしはあなたに何をしたか。何をもってあなたを悲しませたか。」

神が民に向かって次々に語る内容は、「わたしはエジプトの地からあなたを導き出したのに、あなたは救い主に十字架をおわせた」と始まり、直接的には旧約の民に向けられている。しかし、神を悲しませ、救い主に十字架を負わせたのは実はお前たちなのだと、この歌は今日の私たちに、いや、この私に迫ってくる。

聖金曜日の典礼では、この「とがめの交唱」に続いて「十字架賛歌(2)」が歌われる。十字架の向こうに希望があることを確かに感じさせてくれるこの聖歌を、私は「とがめの交唱」の後に必ず口ずさむことにしている。

 

山本量太郎神父