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[コラム]恐れることはない。ただ信じなさい

シスター品川

大人になると、人間はなかなか“信じる”事が出来ない者です。信仰をめぐって、イエスは度々深い信仰の持ち主に出会うと感心し「わたしはこれほどの信仰を見たことがない」などと言って、お褒めの言葉を発せられます。また、逆に不信仰な態度に驚いたり、嘆いたりされます。

今日のイエスは、信仰をめぐる出来事です。前半は、12年間の長い間、出血症という誰にもわからない厄介な、悲しい女性の病気に苦しみ、その治癒を求めてイエスの前に出てきた勇気ある女性の話しです。なぜ勇気あるかというと、旧約の掟によれば、こうした病気の女性は人前に出ることも、多分結婚生活も出来なかったと思われます。

後半は同じ12年間、何不自由なく愛され大切に育てられたであろう会堂長の12歳の娘が「恐れることはない。ただ信じなさい」とイエスに励まされ、信じることに踏みとどまった父親の信仰によって生き返る出来事です。イエスを“信じる”ことは、癒され、生き返り、新しい人生を歩むことにつながる大切なことです。それは、お金も名誉も関係のない「恐れることはない。ただ信じなさい」と招かれる世界への応答です。

しかし、わたしたちの今日の日常生活では、そう簡単に人を信じることはできません。テレビや新聞で報道される“オレオレ詐欺”は、手を変え品を変え、何とか信じさせて、老後の大切な虎の子のお金を上手に取り上げようとします。お金や名誉が関わって来ると、イエス“信じる”こととは違う、恐い世界に触れていることに気づき、賢く生きていきたいものです。“信じる”という人間らしい行為をめぐる出来事、自分の生活態度、信仰生活を振り返る良い機会になりそうです。

 

Sr.品川ヨシ子