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[コラム]諸聖人

シスター品川

カトリック教会の長い歴史を眺めると、おびただしい聖人の群れを見ることが出来ます。フラ・アンジェリコの作品の中には、気品と高貴に満ちた聖人方が天上の栄光の内に、イエスやマリアと共に御父を讃えておられる繊細な美しい絵を憶えておいでの方もあることでしょう。

初めてこの絵に出会ったわたしは、天国とは何と美しい方々の集まるところだろう、と溜息が出る思いがしました。フラ・アンジェリコは修道者でした。彼は自分の属する修道院の修室や集会室などに、兄弟たちがこの絵を観て黙想できるように描いたと聞いたことがあります。このために、いろいろな題材が描かれています。諸聖人の場面はその中の一つです。この絵を観ながら黙想した修道者は、天国を栄光に満ちたものとして捉え、そして憧れたことでしょう。

わたしも以前は同じように考えていました。今も、わたしの中の何パーセントかは、あの美しさに惹かれ、留まっている自分がいます。しかし、今現在のわたしの立っているところは、この泥沼のような世界です。ISの恐怖や、グローバル化の波の中で行き場を失って封鎖された国境の鉄条網を前に、泣き叫んでいる難民の親子の群れや、彼らのために昼も夜も苦闘し働いている政治家や行政機関に働く名もない人々が、天上の人と同じように輝いて見えているのです。

この世界は、何と苦しみに満ちていることでしょう。時々、次のみ言葉が慰めになります。
「見よ、神の幕屋が人の間にあって、神が人と共に住み、人は神の民となる。神は自ら人と共にいて、その神となり、彼らの目の涙をことごとくぬぐいとってくださる。もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない。最初のものは過ぎ去ったからである」(ヨハネの黙示21.3-4)

現実が苦難に満ちていればいる程、天国へのあこがれはますます大きくなっていきます。逃避ではなく、「招かれている者は幸せ」と言われ、迎えられる者になれるように生きていきたいものです。

 

Sr.品川ヨシ子