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[コラム]相変わらずの、草取り話です。

西川神父

相変わらずの、草取り話です。

関口教会の構内は、ど真ん中に東京カテドラルマリア大聖堂があって、その周りに、いろいろな用途に使われている建物が聖堂を囲むように建てられています。このホームページに、今年の春、ドローンで撮られた、聖堂の全景が紹介されていますのでごらんになれば一目瞭然です。ぜひご覧ください。

それぞれの目的を果たしている建物の隙間に緑地があり、ルルドや文京区指定の保護樹木も含めて、この敷地の額縁役割を果たしています。狭いようでかなりの広さを持っていますので、多くの方々が分担して草を取ったり枯れ葉やゴミを掃いたりしています。掃除だけではなく、花を活けたり、プランターに花を植えたり、朝晩、水をやったりと共同作業で奉仕されています。

6月7月、そして8月と草取りの季節です。まるで地から湧き出てくるように、草が芽を出します。カタバミ、どくだみ、やぶがらし、それに、猫じゃらしと鉄道草、その他大勢です。大げさに言えば、1日で2〜3センチ伸びる芽もあります。ミサのあと、朝食のあとなど、時間が許す限り見て回るようにしています。見るとすぐに手が出ます。瞬く間に20〜30本、まるで、拾うように抜き取ります。根っこから抜けるのもあれば、ポキンと途中から切れるのもあります。根っこは地下30センチ以上の所にあるのでしょう。やぶがらしやどくだみ草はそうです。ですから、取っているのは、表面に芽を出したものだけです。それでいいのです。外国から入ってくる船に便乗してやってきた麻薬や害虫をその場で摘発する水際作戦のようなものですから。

先日の事です。小聖堂前の緑地で大きな発見がありました。それは、巨大に成長したやぶがらしでした。端っこに大きな樹があり、いつも緑の葉をつけて涼しさを与えてくれている樹です。その樹の根元に、どくだみ草が目を出していたので、丁寧に摘んでいました。その時、すぐそばに直径2センチほどの木が生えていました。なんの木かなと思いながら雑草を摘んでいましたが、それがなんとやぶがらしの幹だと気がついたのです。そうなのです。気をつけてやぶがらしの芽を抜いていたのに、太い幹に育っているせいで見過ごしてきたのです。よく見ると、大きな樹はその半分をやぶがらしで覆われていたのです。約1時間かけて、成長したやぶがらしを、「ごめんね、養分も太陽も奪われて、辛かっただろう」と話しかけながら取り外しました。毎日見ていても気がつかないほどの保護色のやぶがらしの本領発揮だったのです。

木々には口がありません。害虫がせっかく伸びた新芽や柔らかい葉を食べ尽くそうと、やぶがらしに太陽の光をすべて奪われても何も言いません。ただ弱ってゆき、枯れてゆくだけなのです。でも、木々は枝を伸ばして私たちに語りかけています。嬉しいとか悲しいとか、こうして欲しいとかを小さな声で話しています。よく聞き取れませんが、じっとそばにいると、聞こえてくるような気がします。

 

西川哲彌 神父