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[コラム ]トマト2

西川神父

カテドラル構内の緑地で、草ぼうぼうのところに、トマトを植えたいと、勝手に思っていました。管理のことを思えば、草ぼうぼうの方がいいのかもしれません。特に隠れたところは草ぼうぼうでもいいのかもしれません。しかし、性分として、草ぼうぼうより、何か草花が育っていた方がいいし、花が咲いている方がいいと思って、草を取り、何かを植えたくなるのです。

今年は、トマトの苗を買ってきて、植えてみました。どうなることかと思っていたのですが、トマトのたくましさに驚いています。秋に集めた枯葉を腐らしておいてそれを土に埋め、その上に苗を植えたのです。はじめはひ弱な感じでしたが、なんとなんと、トマトは育ちます。上に伸びてゆくように支柱になる竹の棒を立てて伸びたトマトを紐で縛りました。5月に植えたのが6月になるとぐんぐん伸びて、人の背丈ぐらいになりました。そして、つぼみができて花が咲き、小さなトマトになってきました。たいしたものです。

勝手にトマトを植えているわけですから、後ろめたさはいつも感じていますが、花が咲いたり、味がついたりするのは実に楽しいものです。ご存知かもしれませんが、最近のトマトはいろいろ種類がありまして、苗を買うとき、苗についている写真をよく見ていないと、予想外のトマトを収穫しなければならないことになります。今回は、どの種類のトマトを選ぶというより、いろんな種類のトマトを植えてみて結果を楽しもうというような気持ちでした。同じような花ですが、実が付いてきて、だんだん形がわかってくると、こんなトマトだったのかと新種を発見したような気持ちです。

7月になり、梅雨が明けると、下の方から、赤くなり、収穫の時期がやってきました。まるで火が付いたように真っ赤です。実の先からお尻まで真っ赤になっているのです。店で売られているトマトは、お尻の部分の緑が残っているような状態ではなく、お尻まで真っ赤に熟れているのです。それが、どのトマトの枝にもなっているのです。7月、8月とトマトの収穫時期に入ると、毎日、取らなければならないかもしれません。楽しみです。

放っておくと、空き地はすぐに雑草地になってしまいます。雑草地にしておくのも、実害がなければ、それはそれでいいものですが、人が住んでいる構内ですから、無人の土地の雑草地というわけには行きません。信徒の方で、見るに見かねて鎌を取り、伸びた雑草をザクザクと刈ってくださる方はいます。しかし、草が落とした種は、翌年、しっかりと芽を出して伸びて、同じように刈り込みを待っているようになります。どなたか、草を抜いて、花でも植えてくださる方はいないものかと思っていましたが、祈るために教会に来ているのであって、雑草を取るために来ているのではないという答えでした。多少、お金を払ってでも、草取りをしてくださる方を雇うしかないのかなと思ったりします。そうでなければそういうことが好きな人が出てくるのを待つしかありません。

朝食が終わって、助任司祭のルイス神父さんと、トマト狩りに庭を一回りすることがあります。真っ赤になっているのをいくつか取って帰ります。いいおやつになります。

 

西川哲彌 神父