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せきぐち – 2014年5-6月号

当たり前こそありがたい

主任司祭 山本量太郎

主任司祭 山本量太郎

きょう結婚するお二人へ

ご結婚おめでとうございます。お二人の末永い幸せを願って、一つ提案させていただきます。よろしかったら実行してみてください。簡単なことです。時間はかかりません。寝る前に一つだけ反省すればいいのです。その代わり毎晩お願いします。

寝る前に今日一日を振り返って、「私は今日一日、妻にありがとうと言っただろうか」。毎日言っていれば、大丈夫です。「私は今日一日、夫にありがとうと言っただろうか」。毎日言っていれば、末永い幸せを保証します。

それにしても、人間はなぜ「ありがとう」と言わなくなっていくのでしょうか。それは、何でも当たり前と思うようになるからです。でも、世の中に、そして人生に当たり前のことなど一つもありません。自分にこの妻がいるのは当たり前のことではないのです。生涯、ありがたいことなのです。自分にこの夫がいるのは決して当たり前のことではありません。生涯「ありがとう」なのです。

 

繰り返しこそ大切

それなのに、人間はなぜ当たり前と思うようになっていくのでしょうか。それは、生活というもののほとんどが繰り返しから成っているからだと私は思っています。朝起きてから夜眠りに就くまで、生活のおそらく80パーセント以上は繰り返しでしょう。顔を洗って歯を磨いて、ご飯を食べて、お風呂に入って、等々。人間の体は半分以上が水分だと聞くとビックリしますが、それどころではないのです。そして、人間というものは、繰り返していると当たり前だと思うようにできているのです。ですから、当たり前という思いが頻繁に浮かんでくるようになったら、要注意ですよ。必ず「ありがとう」は減っていますから。

繰り返していることは、大切だからこそ繰り返している、そのことだけは忘れないようにしましょう。そのいちばんいい例が心臓の鼓動です。生まれた時から心臓は、収縮と拡大を繰り返してくれています。心臓がその繰り返しを止めてしまったら、人間は生きていくことができません。そんなに大切なことなのに、私たちは当たり前といつの間にか思ってしまっています。

朝起きたら何も考えなくても顔を洗ったり歯を磨いたりします。そのような習慣を身に付けることはとても大切なことですから、親は毎朝、子どもたちが何も考えなくても実行できるように、ごく自然に生活の一部となるようにと願って、幼いころから躾けるのです。そうして身に付き、当たり前になっていることがどれほどたくさんあるでしょうか。それらはみな大切なもの、当たり前になっていることがありがたいことなのです。

 

一日に一回チェックを

結婚生活も生活ですから、当然のこと繰り返しが多いのです。毎日劇的なことが起こるわけではありません。マンネリを感じることもあるでしょう。当たり前のことが多くなると、今度は当たり前でないことに対しては不満ばかりになるでしょう。でも、自分にこの配偶者がいることは当たり前ではありません。ですから、一日に一回、寝る前にチェックしてみてください。「私は今日一日、ありがとうと言っただろうか」、と。

(ある日の結婚式の説教より)

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