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せきぐち – 2014年11月号

死者の月・小考

主任司祭 山本量太郎

起源を調べる

主任司祭 山本量太郎11月は死者の月。カトリック信者なら誰でも知っている、カトリックの常識に近いものでしょう。しかし、その起源を調べるとなると、手がかりがなかなか見つかりません。カトリック中央協議会のホームページを見ても、「11月が死者の月として定着してきたのがいつからなのか定かではない」とはっきり書いてあります。そもそも、新カトリック大辞典には「死者の月」という項目自体がないのです。

11月2日が死者の日になった経緯ははっきりしています。11月1日の諸聖人の祭日がまずあり、その翌日が死者の日と定められ、全教会に11世紀には広まっていました。そこで、11月2日が死者の日なので11月全体が死者の月になったと推測されるのですが、それをはっきりと公的に裏付けるものが見当たりません。この点、10月のロザリオの月は違います。16世紀に10月7日がピオ5世教皇によってロザリオの聖母の記念日と定められ、19世紀にはレオ13世教皇が10月をロザリオの月と定めました。こうした全教会的なものが11月の死者の月にはないのです。

 

1年の最後の月

そういったこととは関係なく、なぜカトリックでは11月が死者の月なのですかという質問を何回も受けてきました。カトリックに初めて接した方にも分かりやすいようにと考え、以下のように説明するようになりました。

カトリック教会の1年は、実は12月から始まります。イエス・キリストの生涯を中心にして1年を過ごすので、その誕生の記念であるクリスマスがある12月を最初の月にしたのです。それで、11月が1年の最後の月になりました。最後の月ですから、いろいろな最後を思うことになります。中には、宇宙の最後を考える人がいるかもしれません。でも、もっとも切実な最後は、だれにとっても、死です。それで、11月は当然の成り行きとして、死を思う月となり、さらには、すでに地上の道のりの最後を迎えた方々のために祈る月、死者の月となったのです。

 

もうすぐ11月

分かりやすさだけをねらっているので、不正確になったところがあります。教会の1年は毎年、12月1日から始まるのではありません。正しくは、クリスマスの4つ前の日曜日から始まるのです(今年は11月30日)。そもそも、教会の暦は、月という周期よりも週という周期を基本として回転しているのです。しかし、そこを正確にしようとすると、待降節という言葉を使いたくなります。最初の段階では、広げすぎでしょう。

また、ミサの日々の聖書朗読などが最後のことを強く意識させるようになるのは、教会暦1年の最後の2週間で、終末週と呼ばれたりします。それは11月の後半になってからです。しかし、そのことが11月2日の死者の日を中心とする前半を補って、11月全体を死者の月として過ごすことに役立っています。

秋も深まり、間近に迫った冬の到来を肌で感じながら迎える11月が、死者の月となっていることに深い共感を覚えています。

 

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