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せきぐち – 2015年1-2月号

新成人に送るエール

運営委員会委員長 奥野博章

新成人のみなさん、おめでとうございます。

これからは、自分の責任で物事を決め行動することができるという喜びとともに、決めた事と行動には自分で責任をとらなければならないという大変さもあります。当たり前のことですが、それだけに自分というものを大切にしていただきたいと思います。

わたしが成人したのは、すでに42年も前のことになります。「光陰矢の如し」とはよく言ったもので、長い年月も過ぎ去ってみれば、あっという間の出来事のように思えます。
振り返ると、当時は日本の高度成長期の最後の頃で、田中角栄の列島改造、狂乱物価、オイルショックなどが次々と起こり、トイレットペーパーが店先からなくなるなど気忙しい時代であったように思います。しかし、高度成長の余韻が続いており、GDPの世界ランクも2位になり、日本全体としてはまだまだ自信に満ちており、公害などの社会的問題を抱えつつも、物質的豊かさを求めてひたすら経済成長への道を歩んでいくという方向性がはっきりしていたように記憶しています。その後、日本経済は「Japan as No1」という本がでるまでに繁栄しましたが、バブル崩壊以降は、長期にわたり、ゼロ成長時代が続いています。

40年ほどの歳月を経て、物質的には豊かに、街もずいぶんときれいに、また、何事も便利になりましたが、本当に豊かになったという実感はあまりないように見えます。精神的な面での豊かさやゆとりといったものは、かえって損なわれているからかもしれません。
身の回りを見ても、心の病を抱える人が非常に多くなったように感じられます。コンピュータやインターネットは、当時と比べると信じられないくらい進歩した分野ですが、情報が氾濫し、ゆっくりと自分で物事を考える時間が少なくなっているのも事実です。コミュニケーションをほとんどネットで行うため、心と心のふれあいが少なくなっています。人口減少や高齢化がいよいよ顕在化しますので、それを乗り切るのも難しい課題です。

そうした社会環境ですので、新成人の方の人生選択は、社会全体が一方向に向かっていたかつての時代よりももっと難しいように思います。道に迷うことも多いでしょう。また、ストレスや困難の中で心が萎えてしまうこともあるかもしれません。生きて行く上において、自分というものをよほどしっかり持っておかなければなりません。そんな中で、みなさんが持つ信仰は、強い心の支えとなると思います。

困った時、迷った時には、祈りを通してたえず神さまの声を求めてください。ただし、神さまの声と思っているものが、本当にそうなのか、繰り返し謙虚に求め続ける必要があると思います。そうでなければ自分本位な盲信に陥る可能性があります。テロリストはその極端な例でしょうが、自分勝手に神さまを解釈して、他を省みない人は多く見られることです。

「隣人を愛しなさい」ということは非常に大切な教えです。しかし、これは非常に実践が難しい。実社会では利害も対立しますので、「コノヤロー」と思うことは多いものです。でも、絶えず、この教えを思い出していると、独善的になることを防ぎ、本当の神さまの声に近づくことができるように思います。

困難な時代ですが、祈りを大切にして、ご自分の頭でよく考えた道をしっかりと歩んでいってください。そして、物質的成長のみではなく、心の豊かさを実現する社会を作っていってください。

聖霊の豊かな恵みがみなさんを導いてくださることを祈っています。

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